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阿波の藍と藍染め  
喜び 阿波の藍と藍染め 阿波人形浄瑠璃芝居 その時歴史がちょっと動いた おわりに
 
 
矢印 阿波の藍と藍染め
矢印 江戸時代の藍
矢印 現代の藍
 
 
現代の藍
 

 私たちが住んでいるこの徳島県は、その昔、藍が盛んに栽培されていました。特に、江戸時代には隆盛を極め、藍と言えば「阿波藍」といわれるほどになりました。そして明治以降も藍作は盛んに行われ、明治36年(1903)には、最高の生産規模になりましたが、その後、科学染料の開発に押されて減少の傾向をたどりました。

 徳島県では、阿波藍を保存するため、昭和42年(1967)に阿波藍生産保存協会(昭和47年<1972>に阿波藍生産振興協会と改称)を設立しました。阿波藍の名声を伝えるため、種子の保存、栽培技術・加工技術の改善向上など、新用途の開拓と需要の増大を図る生産振興事業に取り組んでいます。

 資料館でも、平成6年(1994)に藍・陶芸作業棟を建設しました。藍染め体験学習や藍染め教室を開講して、美しいデザインの藍染めを体験しながら、ふるさと阿波の藍の歴史・文化を学んでいます。

 
資料館玄関前   藍の葉
◆資料館玄関前
毎年夏になると、藍の花でいっぱいになる。
  ◆藍の葉
 
藍染めをしよう
 「藍」は、生育した葉を夏に刈り取り、乾燥しておいたものを10月ごろに積み込んで水をかけて醗酵させます。そして、何回も積み返して水を掛け、約2か月ほどで「すくも」になります。そのすくもを用いて「藍建て」を行います。藍建てとは、水に溶けない藍を灰汁、石灰、ふすま、清酒などの成分を加えて水に溶けるようにして、染色できる状態にすることです。方法として、醗酵建て(灰汁建て)と化学建てがありますが、資料館では醗酵建てによる方法で行っています。

 灰汁、石灰、ふすま、清酒などの成分を加えることによって、インジゴから酸素がとれて、ロイコ化合物というものに変化します。布にロイコ化合物が溶けている状態の染液を染み込ませて、空気にさらすと、布についたロイコ化合物が空気中の酸素とくっついて、もとのインジゴにもどり、布に定着して「藍染め」ができます。

 藍は、醗酵・還元・酸化といったデリケートな化学反応によって濃い紺色を発色します。そのため資料館では、わかりやすく理解していただくために、「藍は生きていきますから、やさしく丁寧に扱ってください」と、お願いしています。

 布を染める時は、まず、藍甕の中で「藍液がよく染み込みますように」と願いながら、布を液中でやさしく広げ、揉むようにしましょう。次に、空気中に布をかざします。空気に触れるほど藍の色がよく発色してきます。すみずみまで充分に風を通すように工夫をしてみましょう。世界にひとつだけ、私の藍染め作品が完成です。
 
藍建て 初日4時間後   藍建て 3日目
◆藍建て 初日4時間後 
液状態は黒褐色、液表面に泡状の浮遊物が浮いている。
  ◆藍建て 3日目
藍が醗酵しはじめ、一面に紫金色の被膜が出始める。
 
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