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笹木野春日神社文書は、昭和49年(1974)に、春日神社の勤番所(社務所)の押し入れの中から発見されました。資料館では笹木野地区の歴史を研究するため、平成5年(1993)からこの古文書を一括してお借りしています。 |
◆笹木野春日神社勤番所(社務所)
ここに多くの古文書が収蔵されていた。 |
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まず、お借りした古文書には、カビと害虫を駆除するために、「くん蒸」という消毒を行いました。「くん蒸」は、資料館の最も奥にある「くん蒸庫」という密閉された大きな倉庫の中に古文書を入れ、そこに文化財用の殺カビ・殺虫ガスを注入する消毒の方法です。カビや害虫の成虫はもちろん、胞子や卵も死んでしまいますが、古文書などの資料には無害で、変形や変色はおこしません。 |
◆くん蒸庫 |
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消毒を終えた後に、古文書の整理と調査・研究を行います。
古文書の整理は、一点一点を封筒に入れて、封筒の表にその古文書を解読した要点を記します。また、封筒の素材は中性紙を用います。普通のクラフト封筒は、素材(用紙)が酸性であるために、30年ほどで紙がぼろぼろになってしまいますが、中性紙ならば200年はもつとされています。これも、江戸時代の古文書を現代に残してくれた先人に敬意をはらい、さらに数百年後の人々に貴重な古文書を伝えるための気配りなのです。 |
◆中性紙封筒 |
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古文書は、整理や調査・研究の作業中のものを除いて、すべて収蔵庫に保管しています。資料館の収蔵庫は、古文書などの資料に最もよい環境になるように注意を注いでいます。
まず構造は、外部を鉄筋コンクリートの防火構造とし、内部は板ばりで材木が余分な湿気を吸ったり吐いたりする工夫がされています。また、万一、火が出た時は、天井に炭酸ガスが噴出する消火装置が取り付けてあり、資料を水に濡らすことなく消火ができます。
温度は約22℃、湿度は55%を目安に管理を行っており、調整のための空調装置も備わっています。
収蔵庫の維持・管理も、先人の残した貴重な記録を後世に伝えるための、大切な仕事なのです。 |
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また、資料館では、古文書講座(初級)と(中級)を定期的に行っています。受講生は、難解な「くずし字」で書かれた文字の解読に熱心に取り組み、江戸時代の先人の暮らしや、町の歴史を意欲的に学習しています。 |
◆古文書講座 |
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